春はまだ…

 

君が帰った閲覧室には

 ストーブの鼓動が取り残されて

遠いビルのネオンだけが華やぐ

夕闇がまもなく訪れた

 灯りが消された廊下には

月明かりが斜めに差し込み

足音だけが階段を駆け下り

誰もいない教室に吸い込まれていく

  ノートに綴られて

やがて忘れられていく

今日という一日

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