「意味が必要なんだ」とつぶやいた
君のまなざしに
そっぽを向いたその書架は
願いも企みも透明にしてしまうのです
今という境遇にまとわりつかれて
未来なんて都合の良いフレーズに逃げ込んでも
図書室の窓辺には溜息が積もっています
窓の外、雨の路地裏では
愛も真理も水溜りになって
安堵と倦怠はフラワーポットの雫です
どうにもならないことだらけの朝
前後三メートルの君の世界
高校司書のひとりごと
「意味が必要なんだ」とつぶやいた
君のまなざしに
そっぽを向いたその書架は
願いも企みも透明にしてしまうのです
今という境遇にまとわりつかれて
未来なんて都合の良いフレーズに逃げ込んでも
図書室の窓辺には溜息が積もっています
窓の外、雨の路地裏では
愛も真理も水溜りになって
安堵と倦怠はフラワーポットの雫です
どうにもならないことだらけの朝
前後三メートルの君の世界