水無月の
木間隠の
月影と
何を語るや
紫陽花の花
高校司書のひとりごと
水無月の
木間隠の
月影と
何を語るや
紫陽花の花
公園通りの宵闇を思い出し、手を止める
書き連ねたばかりの本の名前からざわめきが聞こえた
数年も訪れていない町並みが思い浮かび
文字と線の隙間に街路灯の光がさしこむ
雨の夜空に星を探して歩いた
忘れていたはずのあの日のこと
君の所作の余韻がよびさました想い出
どうしてそうしたのかさえ風に消された記憶
ネオンはいまも虚ろげに歩道を撫で回しているのだろうか
君の瞳は何を探しているの
そっととりだしたその手鏡のなかで
ぴあす
君のぴあすはささやいている
だれにも聞こえない小さな声で
おしえて欲しい ちょっと気になる君の変身