投稿日: 2017年11月17日2022年11月10日放課後 いつものように、廊下の窓辺から あなたはフルートを奏でる 深まりゆく秋の空へ その音色はドアをすり抜けて 書架の間をハミングしていく 不揃いの背表紙に語りかけるように 長い日差しはベランダの手すりを越え 橙色の木漏れ日模様がゆらめいて 書架の間に重なり合う小さな陽だまり 時計の針はのんびりと時を刻んでいる 閲覧室の午後3時過ぎ
投稿日: 2017年11月5日2022年11月10日晩秋 柿の実を ついばむ鳥の 影長く 羽ふるわして 枯葉まい散る 道すがら つぶやく言葉 さまよいし 柿の実ふたつ 野辺の夕暮れ やわらかき 夕日に染まる 柿の実の 陰映したる 白壁の路