尾瀬は冬の

燧裏林道の木道には霜が被い、窪地には氷が張っている。

木道の上に冬支度の熊が落とし物、田代の山際を大きな角を揺らしながら雄鹿が疾走している。

尾瀬は冬の入り口

  

麓の林道を逍遥すれば、秋の装いをした木々が錦を飾り、森閑としたひと時に包まれる。

溶けていく図書館

 印字された線分は

紙のページから解き放たれた

ウエブにあふれた信号は書籍の形を変え

携える方法を変え

なによりも手触り感を変えた 

それは

図書館を溶かしていくに十分なインパクトだ

  そう 図書館は表情を変えた 

さりげなく訪れる

あなたにこそ相応しい

 ひと時のために訪れるあなたに

さて 今というとき

信じると云うことにしか

標がない世界に私たちは生きています 

気づいています

意味はどんなに緻密に組み立てても

たった一つのため息で宵闇に

吸い込まれてしまうことを

 それでも意味を積み重ねるしか

私を演じることはできないのです

  揺るぐことのない茫洋とした

あきらめの思いを培うのです

過ぎてしまえばすべて夢なのですから