時はしなやかに描いていく、あなたと私を
一つ一つの思いが醸す世界は留まることもない
記憶された昨日はすでに無く、明日という輝きに費やされる
それは尽きてしまうことへの計らいでしかない、抗うことのできない
何者でもない私は、何者でもないあなたと、時を奏でる夢を見た
たった一つの確かなことを忘れようとして
高校司書のひとりごと
時はしなやかに描いていく、あなたと私を
一つ一つの思いが醸す世界は留まることもない
記憶された昨日はすでに無く、明日という輝きに費やされる
それは尽きてしまうことへの計らいでしかない、抗うことのできない
何者でもない私は、何者でもないあなたと、時を奏でる夢を見た
たった一つの確かなことを忘れようとして
楡の木陰の高校図書館
夏には涼しげな木漏れ日を、秋には澄んだ空に枯葉が舞い、冬には木枯らしに枝をしならせ、春には萌える若葉を芽吹く校庭の楡の木、その下の小さな図書館。
生徒たちは集い、様々な表情を
残して去っていく。それを視つづけた
司書のひとり言。
25年間綴ってきたものの中から
折々の想いを
……。