まるい午後

 

ざわめきの去った閲覧室

ソファーでうたた寝をしている、

  忘れられたペンケース

ガラス越しの空は

校舎の壁に幾何学模様に切り取られ

その前を綿雲がのろのろと通り過ぎていく

 放課後の校舎は声をひそめ

だんだんと澱んでいく時が

切れ切れに積み重なって

ふぅっと心が浮かび上がりそうになり

      グラビアのインクの囁きだけが部屋に満ちていく

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