あんな

 

窓際のソファーで、君が雑誌を捲りながら

つぶやいたその戸惑いは

その本を読んだからと言って

解けるとは思えない

 

  君たちの心の奥深く絡み合ったその糸は

 一生かかっても絡み合ったままかもしれない

人間の生きるということは

    表現仕様もないと伝えておくよ

 

 

 命という宇宙の一瞬の振る舞い

そのいつ果てるともしれない連鎖

そこに現れたあなたと私

  何もないのか全てがあるのか

誰にも応えられないこの世界

心地好い物語に身をゆだね

ありもしない世界を語れば

    虹色の薄い膜に包まれた

  風に運ばれるシャボン玉の中で

 仮そめの未来と不確かな今が

 艶やかな衣装を纏っておどっている

 そこにだけ私たちの世界が映されている

 

 

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