あなたは、美しく、美しくなった
仄暗い心の回廊に灯をともすため
生きるということの輝きが欲しかった
少女という時に
夢の輪郭はとてもおぼろげなのに
その表情は
艶やかな彩にあふれている
万華鏡をのぞいた時のように
めくるめく時の流れのなかで
ふと足を止めて振り返ってみると
衣擦れと残り香の佇まいが
セピア色にたたまれている
人の世は包みようのない
不思議な形をしていて
人の心は忽ちに移ろい
解けない暗号が散りばめられている
季節を重ねて紡いだ糸を
心を込めて織り上げても
思い通りの模様は浮かばない
あなたは
「孤独」と云う同伴者に誘われながらも
あなたのために、
あなたとして、明日を描いていく